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お久しぶりのノリエガというので、ちょっとご機嫌うかがいに行ってまいりました。
どうもスペイン系の顔というのに弱いもんで、すごくファンとかじゃないんですが、うーむ、スーツにネクタイ姿の若き管理職的役どころ、なかなかお似合いだったと思います。 ある大会社の新管理職募集にこれまでの面接等を勝ち抜いて残った7人・・・5人の男性と2人の女性。 いずれもエリート揃いである。 彼らが一同に集められ、心理テストなるものが行われることになる。 一同円卓に座り、目の前にあるのはコンピューターの画面のみ。そこへ秘書の女性が現れて、皆に質問用紙を配る。 が、それはこれまでに何度も書いたのと同じものだった。 なぜまた同じものを書かなければならないのかと7人のうちの1人がしつこく秘書に食い下がる。 「別にこれは強制ではないので、お書きになるならないはご自由です。」 こう言われた男はなんだという顔をするが、その後に続けた秘書の言葉にはっとなる。 「今ここでこうしている間は当社のルールに従っていただくのが条件ですから、従えない場合はいつでもご自由にリタイアなさってかまいません。」 こうして全員が書き終えた用紙を集めた秘書はそのまま室外へ。ところが担当者らしき人は一向に現れる気配がない。 また別の男が言い出す。これはきっとアメリカなんかでよくやってる審査方法だ、人事担当者はこのまま現れることはないがどこかに隠しカメラやマイクがあって、我々のことは逐一見張っている。そうして我々の会話、態度の観察結果から最終決定が下されるのだと・・・。 そのうち全員のコンピューターに電源が入る。そしてうち1人の画面にのみメッセージが現れる。 「あなた方7人の中に1人当社の人が混じっています。その人は誰だと思いますか?」 これには一瞬騒然となるが、それぞれ誰が人事担当だと思うか意見を述べ合い、話し合って決まった人の名前を入力する。 すると次の画面へ。 「あなた方の1つのグループとした場合、リーダー適任者は誰だと思いますか?全員一致で決めてください。」 これも話し合いの結果、1人が選ばれる。 この人の名前を入力すると、今度は全員の画面にその人についての新聞記事が。 それは彼が以前勤めていた化学品会社が人体に危険のある物質の製造を取りやめなかったとして訴えたという記事であった。一同、彼の勇気に感心するが、そこへ次の質問が。 「あなた方は当社の人間としてこの人を雇用しますか?」 一同に戦慄が走る。こういうシステムのテストだったのかと・・・。 それでも彼を雇用するという意見、雇用は見合わせるという意見、棄権・・・。 結局、全員の意見をトータルしたところ多数決でNOの判決が下り、リーダー適任者と一度は見なされた人はそこでゲームオーバーとなる・・・。 密室で、1つのポストを巡って起こる心理的戦い。 誰が最後まで残るのか、ほんとうにこの中に人事担当者が紛れているのか、カメラやマイクは本当に隠されているのか・・・。 たかだかある会社の人事がやってることなんですが、まるで命を賭けた戦いのような緊張感がみなぎっていて、見てるほうもドキドキでした。なんか余計なことを言ったりやったりする人がどうしてもいるんですよね・・・。 トイレ休憩で皆が部屋の外に出るシーンがあり、そこではなぜか日本語の曲がかかっていてこれまた妙な感じでした。 クレジットを見たら歌:CIMA CIMAと書いてあり、かすかに聞こえてた歌が微妙に日本人の発音っぽくないような気がしていたので、なるほどスペイン人が日本語で歌ってるのか・・・と納得したのですが、今調べたらほんとに日本人らしいです。ヨーロッパでデビューした人なのかな? 先日の「FAIR PLAY」から「会社物」が続きますが、どちらも限られた数の登場人物の心理的戦いがテーマながら、一方は同じ会社内での人間関係、他方は1つのポストを巡るライバル同士の関係。どちらの描き方もおもしろかったです。 それにしても特に今回の映画、候補者が待機する部屋、その入り口にある秘書のデスク、そしてトイレと会社の外が少し映るくらいですから、製作費はかなり抑えられてそう。 原題:"El Método" 仏題:"La Méthode" 製作年:2005年 監督:Marcelo Pineyro 出演:Eduardo Noriega, Najwa Nimri,Eduard Frenondez おすすめ度:★★★★★★★★☆☆ 今日の日記がお気に召しましたらクリックお願いします→
by nouilles-sautees
| 2006-10-10 19:10
| スペイン映画
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