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もう皆さんひとしきり語られた後かと思いますが、「硫黄島からの手紙」、ようやくフランスでも公開になりました。
普段はネタバレしないように書いていますが、今日はもう皆さんがこの映画をご覧になったものとして書かせていただきますので、まだご覧になっていらっしゃらない方はその旨あらかじめご了承ください。 一応海外在住日本人として、邦画洋画を問わず日本人が出演している映画がフランスで上映されると映画館内で一人、誇らしく思ってしまうんですが、この映画にご出演の日本人俳優の皆さんにはほんとうに感動しました。 アメリカ人でありながら、あれほど日本人目線で映画を製作した監督の手腕もさることながら、それぞれが非常に個性的な役作りをしていた役者のみなさんがすばらしかった。 まずはやはり主演の渡辺謙。 「ラスト・サムライ」でもハリウッド映画初出演ながら余裕のある演技で、完全にトム・クルーズを食っちゃってましたが(トムのファンの方、失礼!)、今回の栗林役に至ってはもう完全にスターの貫禄でしたよね。洋行帰りのスマートさを持ちながら、日本人として日本のために散っていく・・・。 「天皇陛下万歳!」と叫ぶシーンでは鳥肌が立ちました。 あの時代は確かに戦争という狂気が国全体にみなぎっていた時代で、そういう状況で国民が一丸となって・・・というのをいいように解釈できるかどうかはまた別問題ですが、国歌斉唱、国旗掲揚もためらわれる今のちょっと寂しく感じられる時代に、ああいうシーンを見ると日本人としてなんだか表現しがたい気持ちになります。 まあ、こんなことを書いたら危険人物のように思われるかもしれませんが(笑)。特に天皇陛下とか戦争というのではなく、昔の日本には今の日本になかった何かがあるな・・・としみじみ感じたと言うか。戦争映画を見て古きよき時代という言葉を使うのも変なんですが、なんとなくそういうことも感じました。 そう感じたのは、劇中の日本語の影響もあるのでしょう。 当時使われていた日本語ってすごくきれいだったんだなあ・・・と特に栗林中将の言葉を聞いていて思いました。 今はメールという電話と手紙の間みたいなのができて、ますます日本語の書き言葉と話し言葉の境目がなくなっているような気がしますが、栗林中将の手紙で書かれた言葉なんてほんとうに美しかったですよね。今の時代に「~しせり」とか「~なり」なんて書き方をしたら、そりゃあ何これ?みたいに思うんでしょうけれど、あの頃の言葉には日本の心みたいなものがあったなあと感じました。 残念ながら字幕になるとそれが表現されないんですよね・・・。 もちろんフランス映画を日本語字幕にするとどうしてもフランス語の美しさを日本語、しかも限られた字数で表現するのは非常に難しいのでしょうけれど、映画館で「ああ、この周りにいる人たちはこの日本語の美しさがわからないんだよな・・・」と思うと非常に残念でした。 現地に貼られた地図も「邦連トエィヴソ」とか右から左に書かれてましたよね。 こういうのもあらためて感じ入るところがありました。 つい60年ほど前の話なのに、あれからずいぶんと変わりましたよね・・・。 ・・・と渡辺謙の話からちょっと違う方向へ行ってしまいましたが、二宮君の演技もこれまたすごかったですね。 どうもオーディションの段階では違う役を受けていたとどこかで読みましたが、この役は二宮君以外の誰であってもこれほどの出来にはならなかったと思います。 「あーらし、あらしっ」(古いですが、私はこれ以外の嵐を知らない)って手を回していた人とはどうも結びつきません(笑)。 嵐なんて何じゃこりゃ!?ってマツジュン(爆!)以外は全然注目してなかったし、二宮君なんて人はむしろ嫌いな部類だったんですが、この映画で役者としてファンになりました。 あの、表情に出ない奥の感情を感じさせる演技はすばらしかった。 それにあのキャラクター、よかったですよね。文句言うわりに実戦では使い物にならず、そのくせ現場では冷静な判断で生き抜いていく・・・。ラストのあの表情もよかったですよね。 ネットで読んでいたほどには実際に世界的には注目されなかったのかもしれないけど、息の長い俳優になってほしいなと思いました。 それからこの映画の中で一番心に残ったシーン。 それは負傷したバロン西が最後の閲兵を行う場面です。 目隠しをしつつ毅然とみんなの前に立って、次へ進めと言うバロン西の姿がかっこよかった。いや、かっこいいという言葉では表現しきれない何かがありました。しびれました。 伊原剛志って以前よくドラマで見てたときはあまり何も思わなかったけれど、ものすごくスタイルいいですね。あの場面のあの立ち姿、すごくきれいでした、ほんとに。 中村獅童、いろいろ大変みたいですけど、私この人好きなんですよ。 俳優の質と私生活は関係ないと思うんですが、人気商売だからそういうわけにもいかないんでしょうか。何があってもそれを糧にしてさらにいい俳優になってほしいと思ってます。この映画にしても、ジェット・リーと共演した「SPIRIT」にしても、こちらに来る映画にわりと出てる(真田広之ほどじゃないけど)のがうれしいです。 イッちゃってる今回の役もよかったですね。刀振り回してサムライ精神があるのかと思いきや、結局にっちもさっちも行かなくなって生き恥をさらしてしまう・・・なんかどっか何かを皮肉ったようなこういうエピソードを入れたあたり、作品のいいアクセントになっていたと思います。 そして待ってました、尾崎英二郎さん。 いつも拝読しているマダムSさんのブログ「Briliant Days」でご紹介いただき、楽しみにしていました。上記バロン西の閲兵後、兵を指揮して戦う大久保中尉という重要な役どころでご出演でした。上官に忠実で、非常に責任感の強いタイプの役、これまたいい役で、素敵でした。 nouilles-sautees、これから応援していきたいと思います。次回またスクリーンでお会いできることをお待ち申し上げます! ・・・と俳優中心に書きましたが、今回はイーストウッド監督のお得意のガーンとくる絶望感みたいなものがなかったですよね。それは最初からと登場人物全員が死に向かっているという絶望が最初からあるからなんでしょうけれど、「ミスティック・リバー」や「ミリオンダラー・ベイビー」タイプの作品を期待してる人にはちょっと物足りなかったと思うところもあるみたいです。イーストウッド監督の作品にしては・・・という見方も一つの見方でしょう。確かにこの作品はあまり捻ることなく、非常に素直に描かれていましたよね。 私は逆にその人々が言う「イーストウッド」らしさを完全に全面に出すことないにも関わらず、イーストウッド作品を創り上げた監督をすばらしいと思いました。 原題:"Letters from Iwo Jima" 仏題:"Lettres d'Iwo Jima" 製作年:2006年 監督:Clint Eastwood 出演:渡辺謙、二宮和成、中村獅童 おすすめ度:★★★★★★★★★☆ 今日の日記がお気に召しましたらクリックお願いします→ ***********お知らせ*********** 最近更新するたびに異常な数の変なトラックバックがあちらこちらから付いて困っています。 よってしばらくの間、エキサイト会員以外からのトラバを禁止しています。
by nouilles-sautees
| 2007-03-02 19:43
| アメリカ映画 H to N
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